小学生で不登校〜どこまで許す?〜

小学2年生の終わりから不登校になった、彼。そんな彼がどうして不登校になったのか、そこから始まる引きこもり。親はどうして接していくのか。どこまで許すのか。この幼い彼の今とどう向き合うのか。正解のない、答えのない、手探りな日々の葛藤を描いていきます。

子供の成長はただ待つだけ。

自立させたい。

1人で出来るように。

日常生活の中での躾。

外に出ても恥ずかしくない人間に育ててあげたい。

いや、それが親の役目。

わがままなんて許さない。

甘やかしてはダメ。

子供から嫌われてでも、怒ってでも、

今、目の前のことを、させていかないと

ダメな子になってしまう。

そんな風に思ってた。

それが、親として当然だと思ってた。


毎日、学校に行って、たくさんの友達と

仲良く遊んで、たくさん勉強して、

家でも自分のことは自分でできるように。

宿題や、次の日の用意、お風呂に入って

寝る準備も言われなくてもできる子に…

って、普通に思ってた。


それができないとダメな気がしてた。


だから、毎日毎日、口酸っぱく、

何度も何度も同じこと繰り返し言っては

怒っての繰り返しだった。

親の感情丸出しで怒ってたのに、

怒らないとダメって思ってた。


言っても言っても行動に移さない。

やるまでに時間がかかる。

やっても集中してないから、

出来てないことが多い。

間違いも多い。

イライラしながらやってるから、

手抜きもいいとこ。

それ見てまた、怒る。

怒られると更に嫌になっていく。


本当、真面目に頑張ってた。


これがこの子のためだと言い聞かせて。


自分もしんどいけど、子育ては力がいるもんだ!と。

世の中での良しとされてるルールを

守りながら育てていくんだって思ってた。


早寝早起き。

意地悪しない。

自分のことは自分でする。

わがまま言わない。

グズグズ言わない。

いつもいい子でいなさい。


そんな風だった。

今思うと改めて、余計なことばっかりしてたんだなぁと思う。


子供の本当の気持ちなんて、完全無視。

子供の成長なんて、こちらが引っ張ってやるもんだって思い込み。

大人がレール引いてやらないと、何も出来ないって思ってた。

子供の成長、子供の思い、子供の本当の姿に全く目を向けてなかった。


そんなところに目を向けることになんて、

全く気付きもしなかった。


でも今は思う。

子供の成長は、一本の樹のようだって。


木は、はじめ、一本の幹をまっすぐ上に向かって生やしていく。

それは、側から見たら、一本の木にしか見えない。

でも、少しずつ、根を張っていく。

いろんな方向に少しずつ。

そして、その根っこからたくさんの栄養を

吸収して、幹が伸びていき、長く成長した

幹の上の方からは、枝が分かれて生えてくる。

そして実をつけたり、花が咲いたりする。


これって子供の成長によく似てると気付いた。


一見好きなことしかしてないように見えるのは、幹が成長していく過程。

1つのことしか見えない。

側から見たらYouTubeやゲームばかりの子供は、毎日代わり映えのない、同じことだけしてるように見える幹。


でも実は、その中で根っこのように、

いろんな方に向かって根を生やし、

いろんなものをあらゆる角度から吸収し、

自分のものにしていってる。

好きなものの中で、いろんなものと交わっていく。

そして、その栄養でドンドン成長し、

たった一本の幹から、枝を分けいろんな方へ、世界を広げていく。


広げていった先々で実をつけ花を咲かす。


まさに子供の成長と同じ。


この根っこの部分は、親からは見えにくい。

よーく見てないとわかりにくい。

だけど、確実に成長する。

好きなことをトコトンさせてたら、1つのことだけにしか見えないけど、

見た目は毎日代わり映えのない、たった一本の幹しか見えないようだけど、

確実にその下には根っこが生えていってる。


だから親や周りの大人が、無理に外側だけ引っ張り上げて成長させようとすると、外側だけは成長するから一見早く成長してるように見えるかもしれない。

でも、それでは幹の中身は、空っぽ。


大きな木に育てても、中身空っぽでは、

大人の手から離れた時、何も出来ない。


しっかり自らの力で、中身を詰めこみながら、成長した子供は、少々のことでは、

折れない。強い。


そして、その為には、親が成長させようと、あれこれするのは、ダメ。

子供自身の中から成長する時期が必ずあって、それを待たないとダメ。

そして、子供の中から出てくる、思いや、

要求に気付き、大事に拾い上げて、トコトン答えてあげることが、とても大切。

これこそがその子供の土台作りとなる。

それは、その子の成長に欠かせないもの。



いろんなものを見たり考えたり感じたりしながら、成長していく。


それを、待てない親が、余計なことして子供をダメにする。今は、そう思う。


このことに気づけて本当に良かった。